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福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2010年10月01日  訪問先:国際福祉機器展2010

big sight臨海副都心の都会的な風景の中を走る「ゆりかもめ」。無人で動く近未来的なこのモノレールに乗って、第37回国際福祉機器展を見てきた。国内外492社より出展された、20,000点にものぼる福祉機器が展示され、3日間の入場者数は約12万人。最新の福祉機器を試用できるとあって、施設従事者や障がい者自らが熱心に説明を聞き、試している風景があちこちで見られた。


同時に介護者向けの講座や、出展業者によるワークショップも開催され、プロの視点からすぐに役立つ最新情報も提供されていた。食事時にエプロンを使わないことで、笑顔と会話が増え、自立支援に役立っているという「食事エプロン0活動」や、フットケアを取り入れることで、利用者とのコミュニケーションが増し、褥瘡防止にも役立っていると発表した特別養護老人ホームなど、現場で開発された福祉サービスの工夫事例は、これからの福祉サービスの在り方を示唆していると思われる。


出展ブースで人気があったのは介護ロボットHAL。随意的制御機能を持HALち、自らの意思で動かすことができるHALは、リハビリや歩行支援具として、障害を持つ人々や医療関係者から、熱い期待が寄せられている。また、神奈川県のモデル事業として、県内2施設に貸与・導入され、モニタリングの最中でもある。一方、介護食の展示も目立った。一見素材そのものに見える再形成食品は、柔らかく飲み込みやすく加工されているが、味も香りも本物と比べて遜色がない。見た目にも配慮したレトルト食材は、ミキサー食やきざみ食では味わえない「食べる喜び」を提案しているという。福祉サービス同様、福祉用具も「補うための道具」から「前向きに生きるための道具」へとニーズが広がってきているのだろう。


Jプロジェクトがより良いサービスや福祉用具を開発するにあたっては、ホタテニーズを把握することが必要。そのためには集めてきたパンフレットやカタログをじっくりと検討しようと思うが、三日で集めた資料は段ボールに山ほど…開発への道のりは、かなり遠いようである。(佐々木)

 

 

 

 

◆コーディネーターの視点
今回の展示会で驚いたのは、車いすでエスカレーターを降りている方を見たこと!後ろ向きになってステップに後輪を乗せ、片手でベルトを押さえて難なく降りていました。カラフルなホイールを付けた軽快な車いすは、まるでその人の体の一部になっているかのようでした。また4人の若いお母さんたちが、カートを囲んで立ち話をしている光景にも出会いました。くったくなく楽しげに話しこんでいる彼女らは、カートの中に重度障害の子どもたちが寝ていることを除いては、公園の砂場で井戸端会議に花を咲かせるママたちと何ら変わらないのです。私の脳裏に「ノーマライゼーション」という言葉が浮かびました。福祉具が彼らの生活を助け、豊かにすることに役立ってくれているのかなと思いました。(佐々木)
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