訪問日:2010年12月27日
訪問先:株式会社 富士通研究所
クマのぬいぐるみが私たちのほうを向いていました。かわいい顔をしたそのぬいぐるみが首を傾げ、こちらに向けている投げ出した足の裏をくすぐると、喜んだり笑ったりします。
これは2009年に富士通研究所が海外で発表した「子ぐま型ソーシャルロボット」です。2010年5月には富士通フォーラムで国内にも発表し、これまで多くの問い合わせを受けている癒し系テディベアです。耳・口・まぶたが動かせ、首も手も足も数種類の動きが出来ます。大きな特徴としてアイコンタクトを保ちながら、5歳児程度の幼児の音声を擬して私たちに話しかけてきます。私たちの動作をまねて首を傾げることもします。パソコンに組み込むソフトで違ったパターンの話しや動作(体操する動作もできる)も可能ですので、応用ソフトが充実すればいろんな高齢者に適した子ぐまちゃんが出来そうです。
鼻の部分のモニターカメラは自動的に相手の顔を認識し追跡するので、見守りのシステムにも活用できそうです。長期間にわたって使用できれば、利用者の経時的な変化も把握できるかもしれません。ペットの形をした孫のような存在がこの「子ぐま型ソーシャルロボット」です。
商品化は未定だそうですが、開発グループのかたがたの思いは、認知症をはじめとする高齢者のセラピーだけでなく、保育園や学校、さらには一般の家庭でも使ってもらえる子ぐまに育てたいとのことでした。開発者としては次のような効果を期待しているそうです。
・施設入居者などの精神安定効果があり、介護職員の手間が減る
・アニマルセラピーの問題(衛生上の問題、しつけ、ペットロス)を解決できる などなど。
今後は介護施設などでのモニタリングや、専門家の意見を得て改良のヒントにしてゆきたいと言われていました。
◆コーディネーターの視点
川崎市を大きな拠点としている富士通さん。Jプロジェクトも何らかのかかわりをもって子ぐまちゃんの健やかな成長を期待しています。
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