文字の大きさ|
福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2010年11月26日  訪問先:川崎市聴覚障害者情報文化センター

 皆さんは難聴とか失聴という言葉はご存知と思います。川崎市聴覚障害者情報文化センターは、川崎市内唯一のろう者・難聴者のための施設で、①聴覚障害者に必要な情報を提供する・支援する ②聴覚障害側の情報を発信する ③聴覚障害者に対する相談 ④聴覚障害者の文化・学習・レク活動の支援 ⑤字幕・手話入りビデオの貸し出し を主たる事業としています。
  聴覚障害者のコミュニケーション手段といえば、一般的に思い浮べるのは手話や補聴器でしょう。しかし、実際には手話が出来ない方もいれば少し聞こえる方、聞こえるけども音が明瞭でない方もいます。それぞれの障害の程度や能力に沿った支援が大切です。たとえば補聴器ですが、2~3人の会話のように比較的相手と対面して話すような場合は、補聴器のマイク側を話している人に向けることで聞こえが良くなりますし、多人数でいろんな方向から発言が出る場合は音を広く拾うような工夫が必要です。 また、通常の場合、人は聞きたい音声を集中して拾うことで周りの雑音と区別していますが、補聴器では雑音も平等に拾ってしまいます。大きな音をそのまま耳に伝えると耳がびっくりしてしまうこともあります。実際は手話、補聴器、読話、筆談などの手段を組み合わせてコミュニケーションを確保します。
 所長の本多さんは非常に明快で単刀直入な方で、訪問した私たちにも特に中途失聴・難聴者についてポイントをわかりやすく教えてくださいました。中途失聴・難聴者は外見ではそれとわからないので、自分から言い出さないと健常者と間違えられてしまうのですが、言い出すのを躊躇する人や言い出すタイミングを失ってしまう場合があるそうです。どちらの場合も話の内容が理解できずに苦しむことになるそうです。会話に加われない苦しさから家に閉じこもりがちになったり、家族の中でも孤立感を味わったりという傾向も出やすいそうです。
  センターでは同じ障害をもった人たちが集い、勉強し、交流して障害があっても充実した社会生活が送れるように種々の支援をしています。

◆コーディネーターの視点
 「福祉の現場」と「ものづくり」の橋渡しをめざす私たちJプロジェクトですが、ものづくりが利用者の利便性を第一にし(したがって充分なモニター試験と改良を重ね)個人個人にあったチューニングができるような方向を目指さねばならないと感じました。利用状況に応じたオプションも考慮したものづくりをしないと結局は利用しなくなってしまいます。  最後に、ご覧になった感想やご意見ご要望を「Jフォーラム」にご投稿ください。 Jプロジェクトの仕事に反映できればと念じています。
[福祉関連:中原区]


※お名前は実名でなくても構いません。また、お差し支えなければ、お立場をプルダウンメニューからお選びください。

Copyright © 2010 kawasaki J-project All Rights Reserved.