約200名の会員が市内75の施設や個人宅で活動している「ネットワーク川崎」は、ふれあいを通して、支え合う社会創りに努めている傾聴ボランティアグループ。その「ネットワーク川崎」が主催する公開講座がエポックなかはらで開催された。
解り易く楽しくカウンセリングの基礎知識を講義してくれたのは自らを「さすらいのカウンセラー」と称する、東海大学教授の宮森孝史先生。「カウンセリングは『心に関わる援助者』として、クライアントを『もう一度悩めるようになる』まで回復させること。そのための第一歩が傾聴で、先入観を持たず、否定せず、共感を以て話を聴き、相手に寄り添うこと」と話す。認知症患者の対症療法として注目されているバリデーション(是認療法)では、この傾聴がとても大切で、例えば認知症患者が「今日は×日」と間違った日付を言ったとしても、決して「違うでしょ?○日よ!」などと否定せず「そうなの、×日なのね」と、受け入れることによって徘徊などの周辺行動が減るという。認知症患者は認知の混乱により問題行動を起こしているので、受け入れられることにより、原因となる混乱がなくなり、心の安定が得られるからだ。また、人間には話をすることにより気持ちが整理され、自己解決する力があるらしい。確かに誰にでも「思いっきり話をしたら、スッキリした」という経験があるのではないだろうか?相手に呼吸を合わせ、大きくうなづき、時折、相槌を打ちながら傾聴することは、相手を受け入れ、理解することにつながる。相手に受け入れられ、理解されたと感じた時に、人は初めて心を開き、自ら語り、自らの力で心の安定を取り戻していくのだという。
主催者である「ネットワーク川崎」代表の大井朝一さんは「4~5年前に始めた頃は、こちらから電話して行かせて頂くことが多かったが、最近はあちらから依頼が来るようになった。施設は人手不足で忙しく、なかなかゆっくり利用者の話し相手まではしていられない。我々のような活動がその穴埋めになっているのではないか。傾聴は介護サービスの一つとして必要な制度ではないかと思う」と話す。
話すことは認知症予防に効果があると言われている。傾聴が、ボランティアではなく、正当な報酬を得た福祉サービスとして確立することを願うばかりだ。(佐々木)
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