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福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2010年11月09日  訪問先:MACC ものづくり荒川シティクラスター

小貫さんものづくりの新事業展開で実績をあげているMACC(荒川区産業経済部経営支援課 ものづくり荒川シティクラスター)を訪問しました。

 

荒川区も川崎市と同様に中小企業が多く、長引く不況により大きな打撃を受けています。そこで荒川区は経営・技術両面から中小企業をバックアップするため、都電平成18年に中小企業の開発支援を開始しました。それがMACCです。その特徴は2つあります。開発に際しては、実際のニーズを現場レベルで把握することと、開発から販売までをトータルに評価することです。企業側は、ニーズに対する開発を「ものづくり」としてとらえがちで、末端ユーザーへの細かい配慮に欠けることが多く、売れる商品になりにくい。それを、利用者が使いやすいような機構や使いたいと感じるようなデザインにすることで、ヒット商品を作ろうというものです。

 

フェレット19年度の「高齢者向け健康・福祉関連製品開発プロジェクト」では、首都大学東京と連携して区内の高齢者1万名にアンケートを送り、4,500名の回答を得たうえに、計260名に訪問調査と電話調査を実施して、ニーズの把握を深めました。そしてこの結果をMACCの会員企業に公開して製品開発を推進した結果、数件の開発が進み、その中には累計400本以上の販売実績を誇る「自立杖フェレット」も誕生しました。徹底したニーズ把握がヒット商品を産み出したと言えます。


 私たちJプロジェクトも「現場密着」をうたい、福祉現場のニーズ把握に力を入れていますが、MACCの産官学連携したきめ細かな調査による成功例に、意を強くした次第です。

 

◆コーディネーターの視点
今回の訪問を通じてかわさき基準=KISにも興味を持っていただくことができ、今後は荒川区と川崎市で、お互いの弱い部分を補い合い、福祉製品の開発においてコラボレーションができたらいいですねという話にまで発展しました。近い将来、荒川区と川崎市のものづくりコラボブランド「あら!かわさき」製品が誕生するかもしれませんね。(水谷)
[ものづくり関連:]


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