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福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2010年08月19日  訪問先:かわさき福祉開発支援センター

バナー5川崎市産業振興会館の7階にある「かわさき福祉開発支援センター」は、「かわさき基準(KIS)」による福祉用具や生活支援システム、街づくり等の評価、認証、支援を行う「かわさき基準推進協議会」の展示場だ。KIS」とは、利用者にとって最適な福祉製品のあり方を示した独自の基準。川崎市は、高齢者や障害ある人々も、住み慣れた街で、できるだけ自立して、楽しく安心して暮らせる社会を実現するため、「かわさき福祉産業振興ビジョン」を策定し、産業分野からの福祉用具や福祉サービスの提供、街づくりに力を入れている。そこから生まれたのがこの「KISである。かわさき福祉開発支援センター01
100㎡
ほどのオフィスには、毎年、日本全国から優れた福祉製品を公募し、様々な角度から検証して認証された「KIS」製品や、国内外の工夫に富んだ福祉自助具が並ぶ。高齢者の出入りが多い市役所や病院に置かれ、好評を博している、ケータイ感覚の音声拡聴器「クリアボイス」や、狭い室内でも自由自在に動き回れるコンパクトで多機能なかわさき福祉開発支援センター02木製電動車いす「吉田いす」など、自立支援をコンセプトとした「KIS」ならではの製品に、直に触れて使ってみることができる。まるで福祉用具のアンテナショップだ。

学生が授業として見学に訪れることが多いというが、月曜日から金曜日までの11時から17時まで開館していて、誰でも自由に見学することができる。実際に触れてもらうことで、福祉について考えてもらうきっかけ作りになればと、福祉製品のセミナーなども開催している。

相談員の政時さんは「障害は人それぞれ。マスプロ向けじゃないから製品化が難しい。だからこそ川崎の中小企業の出番じゃないかと思う」と話し、担当の小野さんは「福祉機器の製造は簡単じゃない。このセンターが、ニーズを持っている方とそれを実現する技術を持っている方の、情報交換の場になればと思っている」と話す。この「ものづくりと福祉の出会いの場」から、新しい福祉機器が誕生する日は近いかもしれない。(写真左上:KISのマーク 右中:クリアボイスの説明をする小野さん 左下:吉田イスを操作する政時さん)

◆コーディネーターの視点
 今回の取材を通して、このセンターを預かるお二人の熱い思いが、ひしひしと伝わってきました。人にやさしく、役立つものづくりの土壌こそ、真のユニバーサルデザインを産み出すのでしょう。福祉環境の改善を目指す私たちJ プロジェクトの仕事とも重なる部分が多く、互いに情報を交換し合い、協力し合って、より良い福祉製品を開発していけたら良いなと思いました。それにしてもあまり知られていないのが残念!もっと駅に近ければ、たくさんの人に来てもらえるのではないかと思います。(佐々木)
[福祉関連:幸区]


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