横浜みなとみらい地区、海に臨むパシフィコ横浜で開催された、ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド2010、通称ヨッテクを訪ねました。ヨッテクは、(社)横浜市リハビリテーション事業団が主催し、今回で9回目の開催となる「福祉を支える人とテクノロジーの総合展」。福祉機器メーカーや福祉団体などの327のブースが立ち並び、中央のステージでは補助犬のデモンストレーションなどがおこなわれています。
まず訪ねたのは、私たちJ projectとは関わりの深い、かわさき基準推進協議会(KIS)のブース。平成20年度認証の「吉田いす」が数台展示されていました。吉田いすは、(株)メックデザインの井上社長が親友の吉田さんのために“車いすらしくないデザインの車いす”を目指して、手探りからスタートして改良を重ねてきている電動車いすです。木製のもの、自動車シートのレカロやコブラを使ったもの、子ども用の「てんとうむし」など、何種類ものラインナップがそろっています。井上社長の「ウキウキするような、心の部分が大事」という言葉が印象的でした。洋服と同じで、自分の気に入ったものを身につけていれば、気持ちも弾んで出掛けようという気持ちになるよな、と大いに納得しました。
かわさき基準のブース
メーカーばかりでなく、大学のグループもいくつか参加していました。千葉大学大学院工学研究科デザイン科学専攻では、毎年1年生が最初の課題として福祉用具を製作するそう。片麻痺の人とリウマチの人のための福祉用具をテーマに、マニキュアを塗る器具、マグネット式の物干し、つまみやすい将棋盤と駒、片手で着脱できてバッグにもなるレインコートなどが発表されていました。生活を楽しむプラスアルファのものだったり、センスのいいデザインだったり、学生さんらしい発想の作品が多く見られました。
会場には、障害のある方も多く訪れていましたが、印象に残ったのはくるくると電動車いすを操り、キラキラと目を輝かせてさまざまな展示を見る子どもたちの姿でした。このワクワクする気持ちを持ち続けるために助けとなるような福祉用具が、これからもできるといいと思います。吉田いすとも通じますが、“福祉用具”という枠にとらわれず、「ワクワク感」というのが大切だと感じました。
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